INTRODUCTION 解説


本作は廃校となった学校を一日借り切って撮影されたホラータッチのコメディーである。
異星生物のマリンバはCGなどに頼ることなく実寸大プロップが製作され操演によって動かされている。

もともと作品が作られたきっかけとなったのは、この映画のプロデューサーである住谷公久氏が中央工科デザイン専門学校の映像コース立ち上げのために学校の宣伝として、OUTSTUDIOに作品製作の依頼があったためである。

企画段階ではそれぞれ別々の3本の脚本が作られ、出来上がった脚本から時間と予算を慎重に考慮し、この「マリンバ」が製作される事になった。

脚本の第一稿があがった直後、本格的に製作準備が開始される。
配役などは監督の自由であり、主演俳優をさがすなど、住谷氏と平行して監督自身がプロデュース的なことを行わなければならなかった。

脚本第一稿段階で以前から監督と交流のあった冴羽一にオファーがいったが、その時点では冴羽氏は出演依頼を断っている。
理由は、シナリオからイメージするキャラクターには自分は適していないと判断したからであった。
しかし、脚本が作り直され、再度冴羽氏にオファーをしたところ、いささかの迷いはあったようだが冴羽はこのオファーを了承した。

ミミ役の飯田三美子さんは脚本を読む以前からほぼオファーを受けている状態で、実際に脚本がおくられた後にも役にたいして特別異論もなくすんなり出演を了承している。

製作決定から撮影までは約一ヶ月の準備期間があり、実際に製作決定から猛スピードで撮影準備が行われ、マリンバのプロップなどが製作された。
この一ヶ月という時間は、学校側の都合でスケジュールとして空けられる日が10日後か一ヵ月後のどちらしかなかったためである。
当初は製作決定から10日後に撮影を行うという話もあったが、保険の意味で一ヵ月後の撮影となった。
実際の準備は予想以上に困難だったため一ヶ月でも結果的にはそれほど余裕がない状況で、準備期間の10日を過ぎたあたりで製作者側では「10日後の決断していたら危なかった・・・」と話していた。

撮影は群馬県の藤岡市の山の中にある廃校を一日借り切って行われた。
低予算映画ではあるがスタッフの人数も多く、なおかつ撮影場所の廃校が遠距離であったために移動時間も考慮すると1日での撮影にはかなりの無理があったように感じられる。
実際の撮影ではかなりスケジュールがおしてしまい、役者に関しての追加撮影は予算的に認められない状況だったため、予定の終了時間を大幅にこえて約6時間ほどのオーバーとなってしまった。
撮影終了時には深夜になっており、それからの撤収となった。

ただ、マリンバのプロップ単体のカットに関しては作品のクオリティーをあげるために後日数カットほど同廃校で追加撮影が行われている。
この追加撮影はプロデューサーの寛大な処置だったといえよう。

マリンバの撮影に使用した廃校はCMや商業作品の劇場映画などでも貸し出され使用されている場所である。
山奥という場所の問題もあり、他と比較するとかなりの低額料金で貸し出されてはいるようではあるが今回は学校側の協力によりこの廃校で撮影ができたことは幸運であった。

机や椅子などはもちろん、理科室や保健室のシーンに使用された小道具なども新たに用意されたものではなく、すでにその場に残されていたものを利用して撮影しているものも多い。


下記、またまた、さらに、映画監督のなにわ天閣さんよりコメントいただきました。
この宇宙からの侵略者に立ち向かうのはマッスルのみ。 それはあたかも3DCGに立ち向かうアナログ特撮のごとく。

「マリンバ」、DVDをご希望の方はoutstudio@mail.goo.ne.jp まで。